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緊急地震速報とは

緊急地震速報


地震災害の軽減のため、震源に近い観測点でとらえた地震波(P波)から震源情報(震源地・地震の規模・発生時刻)を 瞬時に推定し、お知らせする情報です。ただし、地震発生直後の短時間で震源情報の推定を行うため、情報の精度が十分でない場合や直下型地震では震源情報の推定が主要動到達に間に合わないことがあります。

全国の観測点

全国約1700カ所

緊急地震速報発表のために使われている地震計は全国北海道から南西諸島まで気象庁の地震計と震度計(約690カ所)と国立研究開発法人防災科学技術研究所の地震計(約1,000カ所)からなります。

情報は更新される

検知する観測点数の増加とともに更新

地震発生から時間の経過とともにP波、主要動(S波)が広がり、地震波を検知する観測点数は増えていきます。観測点数が増えると、震源情報の推定に使えるデータが多くなるため、より正確な情報が期待できます。
緊急地震速報は観測点数の増加とともに逐次新しい内容に更新される情報です。時間経過とともに精度は上がりますが、主要動(S波)到達までの猶予時間は短くなります。目的に応じて適切な情報で適切な措置を執ることが必要とされます。

近傍で観測された揺れから震度を予測(PLUM法の導入)

震源情報から震度を予測する方法(従来手法)では、巨大地震が発生した場合の震度の予測精度が十分ではありません。震源情報を用いずに近傍で観測された揺れから震度を予測する方法(PLUM法)が導入され、巨大地震が発生した場合でも時間経過とともにより精度の高い緊急地震速報が発表されるようになりました。

緊急地震速報の限界

間に合わない場合もあります

緊急地震速報は地震発生後、地震波を観測点でとらえた後に発表される情報です。したがって、震源に近い場所では緊急地震速報が発表される前に大きな揺れが到達してしまうことがあります。
緊急地震速報が発表されてから揺れ始めるまでの猶予時間は震源地から遠いほど長くなり、震源地に近いほど短くなります。


震源からの距離と猶予時間の関係

長周期地震動の予測

震度と長周期地震動

大きな地震が発生すると、さまざまな周期の揺れ(地震動)が発生します。緊急地震速報を使って予測する揺れには、低い建物の被害が大きくなりやすい比較的短い周期の揺れを対象とする「震度」と、高層の建物の被害が大きくなりやすい比較的長い周期の揺れを対象とする「長周期地震動」の2つがあります。
「震度」では地表面の揺れの大きさを「震度階級」で示しますが、「長周期地震動」では地表面の揺れの大きさではなく高層階での揺れの大きさを「長周期地震動階級」または「周期別階級」で示します。分かりやすくいうと、「震度」は地表面にいる人が感じる揺れの大きさを、「長周期地震動」はその場所に高層の建物があるとしたときに上層階にいる人が感じるおおよその揺れの大きさを予測しています。
建物の揺れやすい周期(固有周期)は、建物の高さや構造によって異なり、一般的に高いビルほど長い固有周期を持ちます。そのため、同じ地面の揺れでであっても建物の高さや構造により揺れ方は異なります。また、地面の揺れの周期と建物の固有周期が一致すると、その建物は大きく揺れます。
長周期地震動の説明として、建物を倒立振り子として表した図がよく使われます。短い振り子は低い建物、長い振り子は高い建物を表します。短い振り子ほど周期が短く速く揺れ、長い振り子ほど周期が長くゆっくり揺れます。長周期地震動の予測では、1.6秒から7.8秒の固有周期を持つ振り子(=さまざまな高さの建物)の揺れの大きさ(=絶対速度応答スペクトルの大きさ)をそれぞれ計算します。マグニチュードが大きい地震ほど長い周期の振り子を揺らす特性があります。


長周期地震動による建物の揺れの模式図

長周期地震動階級と周期別階級

「長周期地震動階級」の予測では、1.6秒から7.8秒の固有周期を持つ振り子の揺れの大きさを計算した上で、最も大きく揺れる振り子(下の図では真ん中の振り子)の揺れの大きさを採用します。これは、その場所にあるさまざまな高さ(=さまざまな固有周期)の建物のうち、最も大きく揺れる建物の上層階の揺れの大きさを予測することに相当します。


長周期地震動階級=最も大きく揺れる周期帯の振り子の揺れの大きさ
「周期別階級」の予測では、利用者が指定した周期帯の固有周期を持つ振り子(下の図では右から2番目の振り子)の揺れの大きさを計算し、それを採用します。これは対象とする周期帯と同じ固有周期を持つ建物の上層階の揺れの大きさを予測することに相当します。
KANEME-QUICKでは利用者の目的に合わせて「長周期地震動階級」「周期別階級」のいずれかを選択・表示することができます。

周期別階級=指定した周期帯の振り子の揺れの大きさ

構造物の詳細な揺れの予報

KANAME-QUICKでは長周期地震動の予測として「長周期地震動階級」「周期別階級」のいずれかを選択・表示できる機能がありますが、個々の構造物の応答や強度を考慮した詳細な揺れの予報(建物の階ごとの揺れの大きさの予測)ではありません。
建物の階ごとの揺れの大きさの情報が必要な場合は、応答スペクトル法による揺れの予測が可能で、カスタマイズとして承りますので、ご相談ください。

関係リンク

気象庁

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